この記事で分かる事
- オリックスの株が人気のわけはずばり高配当とふるさと優待
- 21年3月期は配当性向50%まで引き上げ(配当出しますという意思)
- 今期の純利益は思ったほど悪くなかった
- 財務状況は健全
オリックス株が人気のわけ
高配当である事
100株で年間7,600円の配当金(配当性向は前期比2%増の32.0%)
次期(2021年3月期)につきましては、1株当たりの中間配当金の予想額は、35.00円とし、通期の配当性向は次期に限り50.0%
利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当
来期業績が悪くなっても配当性向を上げて、配当金額をしっかり出しますという意思がはっきりしています。
株主優待が充実「ふるさと優待」
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よく掲示板などで話題になるふるさと優待です。リンゴジュースがおいしいとか。さらに3年以上保有していると、ワンランク上のカタログギフトになります。
自己資本比率
自己資本比率 26.2%(24.6%)
40%以上欲しいのですが、オリックスのような金融業ですと低くなりがちなので大きな問題ではないと判断します。
業務内容
法人金融サービス4(4)(27)、メンテナンスリース8(12)(13)、不動産18(22)(17)、事業投資13(25)(6)、リテール19(18)(20)、海外部門38
航空機,船舶業などもやっていて、コロナの影響により厳しい状況になるのではないかと思っていましたが、思ったほどのおちこみではありませんでした。
思ったほどの利益の落ち込みにはなっていなかったなという印象です。
空港コンセッション事業は21.3期1Qに反映されるため、そこで影響を受けるという事で先送りです。今回の決算は、3月までの実績であり、コロナの影響が本格化する4月・5月が織り込まれていないのも特徴になります。
当期純利益の推移
純利益は前期比-6.5%の、3,027億円でした。
航空機関連事業や、ホテル関連でかなりの影響を受けるのではないかと考えられていましたが、今回の決算ではそこまでの影響はありませんでした。
ただ、4月・5月の成績内容は含まれない事、今後どのくらいでコロナの影響がなくなっていくかが見通せていない事から21.3も決算予想が出ていないところが不安材料です。
流動比率
流動比率
企業が1年以内に得られる現預金の額を表す流動資産と、1年以内に支払う現預金の額を表す流動負債を比較したものが流動比率。流動比率高いと、短期的な支払いに比べて得られる現預金の方が多いということとなり、財務的な安全性が高いと判断できます。
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100
手元流動性カバー率が363%から、536%に増えています。
1年以内に償還予定の借金が返せなくなることはなく財務的には余裕な状況です。
貸借対照表
資産 会社の所有する資産
負債 借りているお金
資本 原則として返す必要のない、株主からの出資や事業を通じて得た利益の蓄積等
自己資本比率(%)=自己資本÷(自己資本+他人資本)×100
24.6% → 26.2%
前連結会計年度末と比べ、2020年3月期はそんなに変わりがないようです。40%以上だと優良と言われますが、金融関連の預金があるため他社と比べると低くなるようです。
持続的な成長
事業の多角化を進め、持続的な成長を続けています。
今期、来期あたりまではコロナの影響を受けると思いますが、リーマンショック後の落ち込み移行黒字を積み上げてきた実績があります。
業績見通し
個人向けカーリースのナイル(東京・品川)は、中古車の取り扱いを増やしたと発表した。提携するオリックス自動車から調達し保有台数を従来の5割増となる1030台に引き上げた。新型コロナウイルスの感染拡大で車通勤が広がり、カーリースの契約が増えている。新車よりも納車期間が短くコストも抑えられる中古車を充実させ、需要増に対応する。
ナイル、中古車保有5割増に 日経新聞 2020/5/22
コロナショックは悪いだけではなく、業績が上向く事業もありそうです。
オリックス自動車としては、コロナによって支店まで来れない方のために移動店舗の設置する業者も増えているそうです。
ホテル・不動産・航空事業は落ち込むことが予想されますが、また、保険業界では今回のコロナ禍により、契約数は伸びているようで、
(1)新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった場合等の取扱い
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う各種取扱いについて
死亡保険金、災害死亡保険金等のお支払い対象となります。
オリックスも新型コロナウィルス対応型に支払い対象を増やす事で、新規契約者の獲得も見込めます。
ただ、明るいだけではなく、
- オリックス不動産投資法人 2021年2月期都市型商業施設テナントの2割退去
- ホテルを核とする複合施設ハイアットセントリック金沢・ハイアットハウス金沢開業延期
- 水族館も休館中、京セラドーム大阪での各種興行もキャンセル
- 関西国際空港は旅客数が大幅減、伊丹・神戸も半減
- 全世界的にリース・貸付金の支払猶予の要請
- 国内は旅行・出張需要の減少により、レンタカー売上が減少
「世界も日本も、上半期中にコロナの問題が収束するとは考えにくい」といのが今回の決算説明会資料でした。
多角化した事業の中で、どれだけ業績の落ち込みをカバーできるのか?という視点がただしいのかと思います。
まとめ
今期は思ったよりもコロナの影響を受けていない
コロナが出る前まで業績拡大を続けていた
財務健全
配当を下げないための意思を感じる配当性向50%
来期もコロナ影響は出るし、どこまでひきずるか分からない
これだけ成長を続けている企業です。アフターコロナは見通せない部分はありますが、株主を大切する姿勢を明確にしている高配当性向と、株主優待はとっても魅力です。