2020年3月決算減収減益 小松製作所(6301) 配当はどうなるの?

イラスト コマツ

小松の基本情報

わが日本が誇る、建設機械で世界2位の企業。アジアでも幅広く展開。IT活用強みがあって、CMもよく打ってます。無人で動くあの大型建機をもっているコマツです。基幹部品は日本、組み立て現地化で行っています。

北米の売り上げが業績下支えだけど

北米が販売の稼ぎ頭

米国の建設投資は頭打ちで、これ以上伸びる可能性は低い

QUICKコンセンサスでは、コマツの今期業績は前期比3割減益としている会社予想よりやや強めの着地を見込む。

コマツ、ライバル失速が映す米国の暗い影

中国では最大手の三一重工を中心とする現地メーカーがコマツなど外国メーカーより約2割安い価格で攻勢をかける。コマツの見通しによると19年の中国の建機需要は前年比で最大10%増えるのに対し、コマツなど海外メーカーの販売は10~20%落ちる。

コマツの純利益30%減 今期、東南ア・中国で苦戦

中国の建機大手、三一重工が2月、株式時価総額で初めてコマツを抜き、米キャタピラーに次ぐ世界2位に躍り出た。新型コロナウイルスの震源地にありながら、中国政府による景気対策への期待などで株価が上昇。コロナ警戒で急落したコマツを上回った。技術力も年々向上しており、世界の建機業界はキャタピラー、三一、コマツの「3強時代」に入ろうとしている。

中国・三一がコマツ抜く、コロナ相場に建機未来図

2020年3月期の連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)

17.3 18.3 19.3 と増収増益を続けてきたコマツ。ただ、中国現地おメーカーの台頭で売り上げが落ち、最近少し陰りが見えていたのですが、このコロナの影響で一気に株価さがっていました。

2020年3月期の連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)

2020年3月期の業績は
売上高 2,444,870(-10.3%)
営業利益 250,707(-37.0%)

2020年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)

3割減益の会社予想をさらに下押しして、4割減益

減益減収の原因

売上高

戦略市場での需要減少

コロナの影響により需要減少

収益

新型コロナウイルスの影響を含む販売量減少

円高の影響

やっぱり、ころなの影響をもろにかぶった形でしたね。前年の営業成績が良かったこともあり、元々今年は減益見通しでしたが、さらに-10%に上る減益になってしまいました。

次期業績見通し

新型コロナウイルス感染の終息が見通せないため、現在未定。

自己資本比率がめっちゃ高い

61%(65.4%)

いわずとしれた名門優良企業です。

キャッシュフロー

営業CF 2,951(2,025) ( 1,483)
投資CF -1,909(-1,872) (-3,777)
財務CF -34(-36) ( 2,439)
現金等 2,476(1,484) ( 1,443)

営業CFとは、本業による収入と支出の差額。プラスなので本業が順調。それも前期と比べて拡大。他の小さな企業と比べると莫大な利益を生み出しているのが分かります。

投資CFとは、固定資産や株、債券などの取得や売却をした時の現金の流れ。投資をずっと続けて行っている。

財務CFとは、キャッシュ(お金)の不足分をどう補ったかの指標。お金を返済などにあてていてマイナス。決算短信では、配当金の支払いのためとの記載有。

現金等 各キャッシュ・フローの合計に為替変動の影響を加えた結果前の期と比べてかなり上がっています。

流動比率(2019/3情報)

流動比率 168.03%(181.95%)

ままぎれもなく、すぐに倒産するような会社じゃありません。

ROE/EPSの変化

ROE(自己資本利益率)

株主が拠出した自己資本を用いて企業が株主のためにどれだけの利益をあげたか。

17.3 7.33%

18.3 12.12%

19.3 14.74%

20.3 8.6%

19年3月期までの3年の業績はぴか一です。

EPS(一株当たり利益)

1株に対して当期純利益がいくらあるのかを表している

17.3 120.26円

18.3 208.25円

19.3 271.81円

20.3 162.93円

19年3月期までは3年間順当に利益を伸ばしてきた事が分かりますが、今回需要低迷はかなり深刻で3年前に逆戻りしてしまった印象です。

配当金はどうなった?

第二四半期 55円

期末 39円

合計94円です。前年110円だったことを考えると、10%以上下がりました。※直近の配当予想より16円減額

さらに、コロナの影響が見通せないので来年の配当予想も未定となりました。

配当方針は変わらず、連結配当性向を40%

株価の動き

決算予想を10%も下回る減益を嫌気したのか5/18 18:12のPTS市場で、2,000円を割り込みました。明日は1,900円台で止まっていてくれればと思いますが。

中国回復に乗り遅れてる 5/19日経記事

日経新聞朝刊 2020/5/19に掲載されていました。

新型コロナウイルスの感染から立ち直りつつある中国で、コマツが需要回復の波に乗れていない。政府の景気刺激策で建機の需要が急回復しているが、三一重工など中国勢との競争激化でかつて首位だったシェアは4%程度に低下。

なんでも、中国では三一工業の製品が2割ほど安い価格で販売されているそうで、コマツは「安売りしない」方針で進めています。

私は、薄利多売方式でいっても中々活路は見いだせないので、ずっとイノベーションを起こしていく方向に舵を切っている小松の姿勢を評価します。

測量用ドローンや半自動の建機を活用して施工を効率化するサービス「スマートコンストラクション」

今ある技術を研鑚・応用して新しいきめの細かい対応をして、世界で活躍する日本企業の姿を見続けたいですね。ただの願望になってますけど。

今後の見通し

ベンチャー企業「オプティム 」と共同出資会社を設立。IoTで建設プロセス全体を管理するプラットフォームの構築

コムトラックス=インターネットで閲覧できる稼働管理システムです。工場内や離れた拠点の機械を一括管理します。

今後、人口減少により、作業効率は非常に大切になります。ここにいち早く目をつけた取り組みがコムトラックスです。人口増加局面では、多少効率が悪くても人手を投入して何とかしていましたが、「ビックデータ」「AI」の力を使って解決する取り組みです。

コムトラックスへの取り組みは早く、1990年代から実装が始まっています。

盗まれた建設機械でATMを破壊する強盗事件が話題になった1990年代半ばに、盗難対策としての研究開発を開始した。その後1998年に実機実証テストを行い、1999年から国内のレンタル建機向けから市場導入を始めた。

加速するコマツのIoT戦略、「顧客志向」が成功の源泉に

この点に対する米キャタピラーは、

コマツはコムトラックスで先行したものの、世界最大手の米キャタピラーも猛追する。建機への通信機能の標準装備など「デジタル分野への投資を進める」(ジム・アンプレビー最高経営責任者=CEO)。同社の18年の研究開発費は約18億ドル(約2千億円)とコマツの3倍近い。

コマツ、他社製含めIoT網 「デジタル強者」へ新手

コマツの3倍の投資額で、デジタル分野に猛追をかけています。

さらに、三一工業に低価格分野では持っていかれている状態です。

まとめ

コロナが終われば、各国公共投資を行って景気回復を行うと思います。その時に欠かせないのがコマツです。将来性高いと思います。

ただし、三一工業といった中国メーカーの台頭も見逃せません。

さらに、今回のコロナ騒動を見ていると、ここ2,3年の間は完全な終息が見通せないという状況になりましたので、一度おさまったからすぐに景気回復とはいかないような見通しになりました。この事により、当面は株価が低迷するのではないかと予想されますが、かといって土木事業がなくなるとは思えません。

低価格メーカーに合わせて、価格戦略には出ていません。

マツは建機のICT化により自動化分野でも先行を狙っている

コロナの影響で人と接しなくて済む自動化はさらに進むと予想されます。

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