東レってどんな企業?
繊維、機能化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、医療品、医療機器。この中で衣料や産業用途の繊維事業が大きな割合を占めます。さらに、炭素繊維複合素材で世界首位。
炭素繊維は素人の私でもよく耳にします。
2018年の売上高割合はこんな感じ。

この中でも炭素繊維には注目したいです。
炭素繊維で世界トップシェア
軽くて、強くて、しかも錆びない、こんな炭素繊維が航空機に採用される時代が来るのは明らかでしたが、多くの企業は目先の採算を確保できないとして撤退していきました。そのような状況の中、私たちは釣竿やゴルフクラブなどで炭素繊維の用途を見出し、粘り強く技術開発を続けました。そして、研究開始から40年以上経って航空機の全ての構造材に炭素繊維複合材料が使用されるまでになり、さらに自動車にも用途が広がり、東レグループは現在、炭素繊維で世界トップの地位を揺るぎないものとしています
統合報告書2019(13.4MB)
軽くて、強くて、さびない炭素繊維
他の企業は撤退する中、技術開発を続け
世界トップ
航空機に使われるようになって、さらに自動車にも用途が広がる事になれば、莫大な利益を生みそうです。
CFRPは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂のマトリクス樹脂を炭素繊維に含浸・硬化させた材料である。2018年の市場は1兆3,656億円が見込まれ、2030年は3兆2,018億円が予測される。
富士経済、PAN系炭素繊維複合材料(CFRP/CFRTP)の世界市場調査結果を発表
この業界は、基礎科学研究が大切であり、シェアを握った会社に追随するのはかなり難しくなるそうです。つまり、この分野において東レの牙城は崩れない可能性が高い事になります。
自己資本比率
41.6%
40%以上の紛れもない優良企業です。
キャッシュフロー
営業CF 1,762 ( 1,291)
投資CF -2,602 (-1,866)
財務CF 1,188 ( 617)
現金等 1,730 ( 1,343)
営業CFとは、本業による収入と支出の差額。プラスなので本業が順調。
投資CFとは、固定資産や株、債券などの取得や売却をした時の現金の流れ。マイナスなので積極的に投資している。
財務CFとは、キャッシュ(お金)の不足分をどう補ったかの指標。お金の借り入れを増やしている。
前の期と比べて上がっているのでこちらも順調です。
流動比率
流動資産とは一年以内に現金化される資産で、流動負債とは一年以内に支払期限の到来する返済義務です。その比率が流動比率となります。
171.05%
流動比率が100%以上なので、ここ1年ですぐに倒産してしまうような事はありません。
配当金はどれくらい?
1株当たり配当金
上期 8円
下期 8円
通期 16円
現在のレートから、1株480円で、配当性向は3.3%です。
期末配当支払株主確定日 毎年3月31日
中間配当支払株主確定日 毎年9月30日
ここ2年間の業績は振るわないものもありますが、毎年配当金は増やしています。
株主優待ある?
株主優待はありません。
過去5年の業績どうなの?

売り上げは順調にのばしています。

売り上げは伸ばしているのに、2019年の営業利益はおちています。売上高営業利益率を落としてしまったという事です。
さらに、2020/3(第3四半期) の売上高は前年同期比7.0%下落していて、売上高も減らしている状態です。
第4四半期も、11月7日発表の業績見通しから下方修正しています。米中貿易摩擦、自動車・スマートフォンの需要鈍化が想定以上との事。
2020年3月期決算発表予定はいつ?
2020年5月13日(水)
プレゼンテーション資料などの公開予定は、翌5月14日。
まとめ
炭素繊維トップを走る、日本代表する企業の東レです。
2020年3月期の決算は悪い指標が出るのではないかと思います。その時、もう一度下げてくれないかなと思いますが、現在それも織り込み済みの株価のような気がします。
様子を見ながら買っていきたい株です。